バックグラウンドシステム幼友だち

日記death.それ以上でもそれ以下でもない.

ケンシン×ト×ケンキュウ

今日も生き延びた

最後まで予定がギッシリの水曜日であったが,なんとか全てをこなすことができた.

午前から昼ごろにかけ健康診断だった.大体の内容は大学で受けてたのと同じだった.

ほぼ唯一の違いと言えば採血が有ったことだろうか.どのくらい取られるのかと思ったら結構景気良く抜かれるのね.貧血の人とかだいぶつらそう.

健康診断が終わったら急いで研究室に帰還してパワポの確認を行いました.

ただ,昨日今日と全く眠れてなかったので今日一日はなんだがポワポワしていて記憶も曖昧である.あと健康診断前は飯食うなって言われたので,結局夜までまともにご飯を食べられませんでした.

空腹と眠気のダブルパンチである.院生だから耐えられた.学部生ならば耐えられなかった(個人の感想です).

病院まで片道1時間半くらいかかるので,バスの中で円城塔オブ・ザ・ベースボールを読んだ.

しかしこの本は,頭が働かない時に読むものではないと思ふ.2つのお話の内,”オブ・ザ・ベースボール”はともかく”次の著者に続く”はかなり難解なお話となっている.ドグラ・マグラに近い部分もあるかもしれない.

何にしても著者の知識量に圧倒されるばかりである.円城塔は博士課程卒で研究中に執筆していたというおもしろい経歴を持つらしいが,さもありなん,とにかくいろんな書物や偉人のネタが出てきたり,専門用語が遠慮なく現れる.ポアソン分布とか出てきてドキッとした.

オブ・ザ・ベースボール”は伊坂幸太郎っぽさが有るというか,突飛な世界観をものすごくフラットというか,乾いた描写で書きあげている.そして驚くべきことに,作中の大きな謎について一切の解決がなされない.これには驚いたが,有る種の清々しさも覚えた.謎を解決すべきメインディッシュではなく,お話をすすめるためのマクガフィンとしてのみ用いるという思い切った構成.有川浩とか星新一なら終盤にて謎が明かされようものだし,私自身そういう本しか読んでこなかったので新鮮だった.

”次の著者に続く”は,ドグラ・マグラっぽいし,私が昔プレイした”去人たち”というゲームを思い出した.

kyojintachi.k2cee.com

去人たちを一言で表すなら,「アンチノベル」であると思う.通常,小説は読まれるために有るし.些末な描写も登場人物たちの心情も当然のように読者に開示される.

しかし,この作品はとにかく読まれないためにあると言える.考えてみれば当たり前か.もし自分が生きているのが実は創作物の世界で,自分の頭の中を好き勝手に上位存在に覗かれるとしたら,私も狂人のごとくふるまって心の中を何も読み取られまいとするだろう.

それを実際に行ったのが本作であり,登場人物たちは読者たる我々に心を覗かれないよう常に狂ったことを考えている.そして無遠慮な読者達が去るまでじっと耐えているのだ.

”次の著者に続く”はそこまで突き放した作品ではないが,とにかく読者に歩み寄ってこない感じがする.数々のインテリしかわからない引用や比喩になんの説明もないし,ついてこれなきゃそれまで,という感じである.そしてこのお話も散々興味深い謎を提示しておきながらそれが解決されることはない.生殺しである.読まれまいとはしていないが,読めなかったらお前が悪いという感じである.

 

何にしろ今日は知能にデバフがかかっていたので,もう少し頭の良い日にもう一度読みたいと思います.

でも明日も明後日も忙しいです.来週も忙しいです.

割とまじで今までの人生で2番目につらい時期かもしれん...